昨日帰京前の大塚軟膏くんが寄る。
ほどなくH学園大1年のチヒロさんも来る。
ふたりは文月さん経由の友人で、ともに今年それぞれの大学のジャズ研に
入り演奏もしている。
このふたりと同じく今年教育大に入学した釧路の瀬戸くんもジャズ研入部と
いうから、一度3人を会わせて文月トリオ(仮称)で演奏会をと思っていた。
まだ瀬戸くんはこの二人と会っていないから機会あればと思っている。
大塚くんがもう一度大野一雄の石狩公演ヴィデオを見たいと言うので、
劣化を心配しながらも、別バージヨンの映像を流した。
やはり最初に見せた方がまとまりがある。
一度歩いてからまた見ると違いますねと、大塚くんが言う。
来札の岸辺の自然は、同じ風景を二度と見せる事はない。
まして19年前9月の来札の岸辺と今では、季節も違うし風景も変わった。
それにしても同じ場所を歩いた体感は、映像や時間を超えて体に
記憶されている。その事の確認のように大塚くんは呟いていた。
昨日今日と西田さんの展示は続き、ほぼ完成する。
2階吹き抜け回廊の、豊かで凛とした饒舌さ。
1階展示の、静謐で寡黙な内の凝縮。
これらが見事に今現在の本人を表出している。
2階回廊部分は見る場を変えて、色々な角度で寛げる空間だ。
ここに10代から20代の原風景が饒舌にして凛としてある。
その20代から30代への橋渡しが作家の今を形成して、1階に伏流している。
会期中細かな展示の増減はあるかも知れないが、構成としては見事な
展示となったと思う。
明日以降の会期の中で、空間の空気はどんどんと醸成されてゆくだろう。
満足そうな笑みを浮かべた西田さんと握手をして、とりあえずのオープン
をふたりで祝った。
明日からこの会場はまたどんな表情を与えてくれるのか、楽しみである。
*西田卓司展「ワーキングフロー」-8月24日(火)-9月12日(日)
am11時ーpm7時:月曜定休・休廊。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503