2006年 03月 26日
このブログを書き出した昨年11月末は、3回目の立ち退き訴訟の判決がでてひとり なにかを言わなければというある決意のような衝動から始めた。それを別の言葉で いえば、<志(こころざし)>と言う事かも知れない。だからここで書き続ける事それ 自体が自分のメッセージであり遺書のようなものだったのかも知れなかった。写真 も人気ランキングも初めから想定してはいなかった。文章だけで伝え闘いたかった 。25年前の夏周りは木賃アパートが並び植樹した細い2本の白樺の木とピカピカ の銅版の建物は異彩を放っていた。二階の窓からは円山藻岩山の裾野がまだ見 え煙筒と赤錆びた屋根の間に古い銀杏の木が青々としていた。私はまだその時 実業家のように都心とここを往復しいくつもの仕事を抱えていた。そして時間と共に そのいくつもの仕事を削ぎ落とし、喪って来た。ここを選んだ時それはすでに予感さ れていた事だった。生まれたところの街は変質しそこに自分のしたいものは育ちよ うがなかったからだ。パックされた商空間が地下に潜り空を埋めて巨額な経済原則 が支配していた。訴訟、経済ブローカーの暗躍、疑心暗鬼が渦巻いていた。そこを 脱出し選んだこの地には西に広がる山並みと清冽な川の面影がまだ息づいてい た。そして街はまだ等身大の家並みが生きていた。そこで自分の時間がゆっくりと 深みを増し拡がっていくのを感じていた。2本あった白樺は1本になり大きく太く空 に伸びた。枯れて去った白樺は同時に今自分の中の何かでもあったような気がす る。母が死んだ年窓に蔦が伸びてきた。その蔦が母のようにも感じた。建物もまた 時間を刻んでいた。ピカピカの外壁の銅版も薄く緑青を吹き雨や雪に磨かれていた 。私はもう青年でもなくしかしより自分を自分らしく感じていた。場と建物と人が深ま り溢れようとしていた。しかしその周りの時間は別のあの忌まわしい時間が進行し ていた。それはもう止めようがない勢いで進み、あの場所の深まりと高さを競うよう な住のパック群とは大きな落差が生じていた。これも時代という時間であると思う。 経済事件では原告ー被告とはっきりするが時代の時間にはそんなはっきりした区 別はない。選択する意思その志の差異が問われるのだ。それは変る事もある。 その時本当に問われるのはやはり生き方そのものであり、志であるのだろうと思う 。さっぽろに生きる、さっぽろに心挿す。ふっ、花器店らしいしょ!と思わず思う。 場所という器を求め人という花を活ける為に闘っているのかなあ。少し後ろ向きの 今日は日曜日。
by kakiten
| 2006-03-26 11:42
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Comments(2)
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by
sayaka
at 2006-03-26 21:04
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こんばんは。今日は金丸ゆうこりんと、念願のgra_graにいってきました。札幌は、もう雪がほとんど溶けてしまっていますが、洞爺はまだまだ雪景色でしたよ。私はワイングラスを、ゆうこりんは天井からぶらさげる一輪挿しを狙って行ったのですが、じっくり見て見て、見すぎるくらい見て、結局本日は選択できず、ウインザーホテルのクロワッサンを買って、レイクヒルでランチをして、帰りに寄った日帰り温泉で、「次は桜の時期に来てください。」という言葉をいただき、帰ってきました。工房で一般の方が体験しているのをみてきました。高臣さんは、札幌でお見かけしたときより、「芸術家っぽい」姿でした。次は5月中旬に!今度は絶対お買い上げです!
では、季節の変わりめ、体調崩しやすい時期です。お体くれぐれもお大事に。ナースsayakaでしたー。
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by
kakiten
at 2006-03-27 11:06
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>sayakaさん
そうですか、工房で東京展追い込みの大介さんは「芸術家っぽい」姿というの判るような気がします。昨日はガラスにランチそして温泉ですね。 普段のお仕事の修羅場の汗すっきりと気分転換できましたか?たまに 陣中見舞い兼ねてゆうこりんと3人で腎臓にランチそしてビールって どうでしょうか、あまり面白くないか?ね。ハイこれは駄目、これも駄目 ってそれはナース、オジンギヤルでごめんなさい。 |
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