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テンポラリー通信

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2009年 08月 18日

北の風が吹くー夏日幻想(16)

行きそびれた沖縄が気になり、豊平ヨシオさんに電話した。
O君は予定通り来て泊まっていったと言う。
ナカムイ御獄も案内したよという。
丘の上にあるアトリエはサウナ状態で、10月末から11月初旬がいい。
この頃は、沖縄語で北の風といって、新しい風が吹き、香しい薫りがする。
一番好きな時だという。
そうか、その頃もう一度行こうかと話す。
北の風をニシ何とかと言うといったが、その沖縄語は聞き忘れた。

古いアイヌの世界では、1年を夏の年(sak-pa)、冬の年(mataーpa)と
数えたというが、沖縄ではその北の風吹く時が冬の年の始まりなのだ。
10月末から11月初旬といえば、こちらの感覚でも冬の年の始まりである。
その季節の年の境目に立ち会えればと思う。
8月を逃したので、再沖を何時にするか迷いがあった。
沖縄で、南の冬と北の冬の違いを直に感じたい。そう思う。
四季と一言でいっても、場所によってその季節感は違う。
その直接性と相違を大事に感じたい。
それは今自分の生きている場を確認することにも繋がるからだ。
違いが違いとしてあること。
その違いを分別する方向ではなく、それぞれの相違として開かれて感じたい。
そう思うのだ。
北の風といっても、半袖で大丈夫と豊平さんが言った。
この後古い友人のHさんが来て、その話をした。
そんなに沖縄へと惹きつける作品が見たいと言う。
写真があるので見せると、この写真が欲しいと言う。
谷口顕一郎さんのDVDとカタログテキストを買ってもくれたし、まだ同じ写真が
あるので、いいよと承諾した。
これは本当に本物見たいなあ、さっぽろでも展示できないかと話は続き、
いつの日かそうしたいと話した。
ただ全部はここでは無理で、何点かを雪明りの中で見てみたいのだと応えた。
今年の夏は、お盆も過ぎて静かに終る。
冬の年の始まりへ向け、夏の末(sak-kes)秋へと蜻蛉とともに時は動く。
今度は北の風の立つ時、会いましょう!豊平ヨシオさん!
あなたの青い亀裂の哀の前で。

*「’90年代の作家たちーコレクシヨン展」-8月18日(火)-30日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休・休廊

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-08-18 16:47 | Comments(0)


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