人気ブログランキング | 話題のタグを見る

テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2009年 07月 11日

外観と中味ー朱夏(12)

沼田康弘さんの友人のパン屋さんが訪ねて来る。3年ぶりだ。
3年前のちょうど今頃村岸宏昭展の最中だった。
映画「もんしぇん」のフライヤーを持って、沼田さんとふたりで来た。
かりんさんとの縁が繋がるきっかけである。
映画「もんしぇん」の音楽を、かりんと玉井夕海が演奏し、映画と演奏の
全国ツアー最初が、夕張と札幌からスタートしたのだ。
パン屋さんのKさんは、その時の事をよく覚えていた。
あの白樺の木の作品を創って、すぐ四国の川で亡くなったんですよねと言う。
それ以来の来訪で、しばしかりんさんの作品を見ながら、村岸さんの話が続いた。
明日のかりんライブには娘さんを連れてくるという。
記憶の結晶がここにもあって、時は一瞬にして光りだす。
昨日来た写真家のFさんは、かりんさんとは初対面だが、もう一瞬にして
フアンになったという。
彼もまた明日ライブに来るという。
クラシカルな青い車に乗るアフロヘアーの彼は、外見に似ず真っ当な剛の男
である。外見に似ずというのは、勝手な先入感で、実はこういう人ほど背広男より
はるかに剛直で素直な人が多いのだ。
以前、友人のTから娘が恋人といってアフロヘアーの変な男を連れて来たと相談
された事がある。
私は経験として、そういう男は意外といい奴が多いよといったら、後で、その通りだ
ったわと感謝された。
その点でいえば、村岸宏昭さんも似たようなもので、師であるふたりの教官は
一様に同じような印象を記している。
<ひょろっ、ぼさぼさ、よれよれ>(北村清彦先生)
<座敷童子型ズタボロ系の若者>(南聡先生)
と散々なのである。
まあ、人の事は自分でもいえない訳で、端から見れば私ももっとひどいもの
かも知れないわけで、<ムスッ、ブアイソー、コワイ>ってなことかもしれない。
若者では決定的にないのが事実だから、もっと手に負えないのだ。、

かりんさんは、どんどん作品を描き増やし、時々来る人に演奏を聞かせ、
気分転換をしている。音が絵になり、絵が音になって会場を埋めている。
そのパワーは、12絃筝を25絃筝に改造した事を納得させるものである。
従来の絃数では溢れるものが御しきれないのだ。
内から溢れるものが、外観をも変えていく。
そんな現象が、人の外観にも楽器にも顕われて来るのかも知れない。

*中川かりん展「かりん」-12日(日)まで。am11時ーpm7時
 :12日午後6時~かりん25絃筝ライブ・入場料1500円

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-07-11 13:36 | Comments(0)


<< 川の女神と白樺ー朱夏(13)      記憶というハーケンー朱夏(11) >>