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テンポラリー通信

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2009年 06月 09日

訪れる時間ー風のRondo(7)

陽水の古いカセットテープを聞きながら、ふっと何かを感じていた。
陽水のお父さんが最後に訪れた故郷の事だ。
四国の高知の田舎という話だ。
その場所を聞いて何かが触れていた。
そんな時沖縄のチQさんこと平野貴弘さんから電話がくる。
今日から始まる彼の個展の話かと思ったら、違う。
沖縄在住のさとまんさんという人と昨日会って、
村岸宏昭さんの話を夜遅くまでしていたと言う。
さとまんさんという人は、高知でよさこいに参加し、
一度だけ村岸さんと一緒に踊ったという。
その後村岸さんは高知の川で遭難死するのだが、その一度の出会いを
今も忘れられずにいるという。
チQさんが札幌と聞いて初めて昨夜村岸さんの話をした。
そして昨夜遅くまで話したというのだ。
さらに話のきっかけは、チQさんの個展がテンポラリーで始まるという事だという。
後程チQさんが送ってくれたさとまんさんのブログで、それは次のように記され
ている。

 ・・・テンポラリースペースだということがどんと来たのだ。村岸くんが愛した場所
 テンポラリースペース。繋がった。チQさんは村岸くんの親友だった。

生きていた時と村岸は少しも変わらない。
いつも彼は、すっと人の集まりの中にいた。
後で気付くのだ。村岸いたんだよな。
古い陽水のカセットテープを聞けるのも、
同じ友人だった佐々木恒雄さんのおかげである。
網走に帰った佐々木さんが、このカセットデッキを残してくれなければ、
井上陽水の古い録音を聞くこともできなかった。
そして最後の個展となったフライヤーの印刷は、
酒井博史さんの活字印刷によるものである。
その酒井さんてん刻ライブ展で、私は何度も酒井さんのお母さんも含めて、
陽水の父親鎮魂の語りと唄を聞いていたのだ。
高知の田舎で・・という陽水のその語りを聞きながら、
その地名の響きに、どこか長身の青年の姿が、私の心を横切っていたのは
事実である。
だから、やっぱり来たのだ。彼はいつもそうだった。すっと、近くに居た。

チQ展69枚のポストカード。きらきらとどれも美しい。
チQさんの心の<まちぐぁー(市場)>が光に跳んでいる。
額装を手伝ってくれた黒田晃弘さんが、ビューと感嘆する。
ポストカードという小さな、しかし一番個的な空間にぎっしりと彼の沖縄が踊って
いる。これはそのまま村岸さんも含めたみんなへの葉書でもある。
額付きでどれも3000円。机上に太陽を・・。
そんなキャッチコピーが浮かぶ。

*チQ沖縄からのポストカード展「まちぐゎー69」-6月9日(火)-21日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休・休廊

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-06-09 12:03 | Comments(0)


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