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テンポラリー通信

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2009年 04月 07日

四色の世界ー歩行の縦軸(6)

今年初めてワン公に追われる。エルムトンネルの遊歩道。
昨日休んで自転車バリバリ。犬フェロモン全開だ。
朝陽とともに目覚め、黄色い光の中朝飯。
この黄色い薄明の光を、沖縄では青と呼んだということ、思い出していた。
古代の日本には、色彩は四色しかなかったという。青、赤、白、黒である。
黄色はオーと呼ばれる青に属していた。青い海岸の洞窟の死者の場処。
そこに外から光が入って、黄色い薄明の世界、それがオーという青だ。
青春、朱夏、白秋、玄冬。青龍、朱雀、白虎、玄武。
四季の色、東西南北の色。古代の色のシンプルさには何か濃いものを感じる。
白は日の入りを表し、青は日の出を表わすという。
地球の呼吸だな、この色彩感覚は。日本の古代のこの感覚が、沖縄では近年
まで那覇などを別にして残っていたと谷川健一さんはいう。
朝陽とともに起きて、その言葉を思い出していた。
四色しかないことが貧しさではなく、非常に濃い豊かさである事を同時に思った。
分類の多様さは、必ずしも豊かさと同義ではない。
分類・区別・差別・分断のデテールは、世界を分割し多岐にするが、本質の豊穣
を痩せた枝におとしめる。青が保つ豊かな振幅、黄色まで含む命の色を消してし
まうからだ。太陽を地上に出す東、その丹(あか)を生じる火の色と、太陽の出て
くる時の東の空の澄んだ色が青である。青は丹を生じる。太陽を含んだ色彩なの
だ。このドラマがいい。分離・整理・整頓された箱のなかの言葉ではない。
箱に収まらず、函から溢れる言葉である。

佐佐木方斎展初日の朝。この函から方斎さんのことば、作品もまた溢れてくるか
、今日からの始まりを思うのだ。

*佐佐木方斎展「メタレリーフ」-4月7日(火)-17日(金)am11時ーpm7時
 月曜定休・休廊

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-04-07 10:23 | Comments(0)


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