フキノトウの緑の頭を見る。冬の果て。腐れ雪。
地表の風はまだ冷たいが、地中は確実に暖かさを増しているのだろう。
金曜日で終った小林由佳展の後、少しの休息期間。
今日は及川恒平さんのライブ。
明日から佐佐木方斎展まで、少し自分を見詰める時間を保ちたい。
鮮烈な沖縄初旅。そこで感じた南の磁力、そして北の磁力。
正反対に位置しながら、引き合う力を考える。
東西の広がりではなく、反発し合い、引き合う磁力。そこに生まれる磁場。
ここまで書いて気付くのだ。
東西は広がり、南北は垂直に深まる。軸心。
豊平ヨシオさんとの友情を通して今そう感じている。
佐々木恒雄さんのオホーツクブルー。豊平さんの沖縄ブルー。
閉じる青と、開かれる青。深く閉じるから深く開き、深く開くから深く閉じるのだ。
その本質的行為において、ふたつの青は通底している。
南の明るく透明な青が、深く抱え込んでいた亀裂。
北の冷たい青が、深く抱きしめていた解放。
青もまた、深く閉じ深く開く。
生きる事の深度において、ふたつの青は磁場を創る。
珊瑚礁の育む青。流氷の育む青。
この正反対の青が、私を引き寄せ弓なりに列島を疾走させる。
今、2月・如月(きさらぎ)の夢を思っている。
青い磁石のように南北を貫き、北は北の磁心足り得たい。
そう痛切に思うのだ。
及川恒平の声の北もまた、その磁心の内にある。
*及川恒平フォークライブ「はざまの街にて」-3月29日(日)午後3時~
入場料3000円・予約2500円。
*佐佐木方斎展「メタレリーフ」-4月7日(火)-17日(金)
*熊谷榧展(予定)ー4月21日(火)-5月3日(日)
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
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