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テンポラリー通信

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2009年 02月 05日

現代のナイチンゲールー如月(きさらぎ)の夢(4)

1年ぶりに看護士のKさんが来る。3年前私が、ひたすらさっぽろ漂流を重ねてい
た頃、一度だけ一緒に歩いてくれた。TさんとKさんが優しく付き合ってくれた想い
出がある。それから今の場所にテンポラリーを作り、ここにも何度か訪ねてくれた
が、昨年は一度も会えずどうしたのかと案じていた。
某公立病院にお勤めだが、1年間あまり人とも会わず、将来を考えていたという。
一度尊敬する人に会いにカンボジアまで訪ね、介護の国際的仕事を実地に見て
きたと言う。今はその方向で自分の将来の仕事を考えたいと語った。
3月で今の勤務先を辞め、その後ゆっくりと本当の働き先を考えるそうだ。
病院にいて、患者さんを待つのではなく、行ってそこで介護をしたいという。
その為には日本よりもっと介護・看護を必要としている場、外国も視野に入れて
いる。いつか新聞で中近東で働く看護士さんが拉致され、解放されたニュースを
見た。長崎大学の方だったが、海外で看護・介護の仕事を志す人は断然女性た
ちが多いと書いてあった。現代のナイチンゲールである。
Kさんもまた、そうしたナイチンゲールのひとりである。
弱い人に対し病院の中から出て、直接弱者の家、場所へと赴き助けたい。そう思
っているのだ。病院にいれば、やはり医師や看護士が偉いでしょうと言う。
そうでなく直接弱者の下へ行き看護したい。そう言った。
自身の生活の安定よりも、仕事を通して人とより深く繋がること。
生活の根本のところに生きる事がある。婦長さんになり、管理職になっていく組織
内の仕事でなく、志(こころざし)の志事。
Kさんはそうした道を今選択しようとしている。明日は誕生日で、それもひとつの
区切りだと言った。色んな心配が頭に浮かんだ。でもそれは、多く口には出来な
かった。静かな、しかし凛とした気配が感じられたからである。
とりあえず職を辞したら、ドイツへでも行ってみようかしらという。
離れて旅先でゆっくりと考えてみたい。そうか、僕の友人がいるから紹介しますよ
と伝えた。生きる事に誠実な行為の先に、カンボジアが、ドイツがある。
いい外国だなあと思った。オホーツクや西表島。佐々木さんやチQさんの話もした
。志を通して国が続く。未知の国だけれども、もう外国ではない。国家ではなく、大
阪も西表も網走もベルリンも、もう別の回路で繋がり、近く感じるのだ。
人が人の志事をとおして繋がるからだと思う。
私はとことんさっぽろで、さっぽろを深く生きます。そう応えた。
現代のジャンヌダルク、モモ、ナウシカ、そしてナイチンゲールと凛々しい女性たち
の時代なのだなあと思う。

*高臣大介冬のガラス展「gla_gla CANDLE show」-2月8日まで。
 pm1時ーpm7時
*佐藤義光花個展「別世界」-2月10日(火)-15日(日)
*野上裕之彫刻展ー2月17日(火)-22日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-02-05 15:02 | Comments(0)


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