テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2009年 01月 30日

雪枯れの冬ーmata-pa(冬の年)(23)

雪が降り、軒下に氷柱が伸びる白い世界。陽光の翳りが青い色彩をもたらす。
室内の灯かりが次第に洩れて、翳を一層深くする。
そんな冬の夕暮れが薄い。
このところ2度の雨、少ない雪で路面は黒く、白い残光の照り返しもない。
路地裏の凍てついた小さな隆起は、氷付いて意地悪く、滑る罠のようだ。
冬の高臣大介展は、意図した雪と氷柱に煌く会場にはなっていない。
透明なエロイカ、吹きガラス特有の柔らかな曲線と冬の光の交響が淋しい。
暗くなりほとんどのガラスのキャドルに蝋燭の炎が灯される時、今回の個展の
意図が露になる。自然の光との交流から、蝋燭の炎の光との共演をさらに意図し
たことである。空気の流れで微かに揺れる炎。ガラスの内側から光が揺らぎ、こ
れも微かな冬の夜の外光が、白く青く触れる。その初めての意図が暖冬で少し狂
っている。透明なガラスの内側から灯かりが洩れ、床に翳を創る。
それはそれで、誠に幻想性をもって美しい。大介さんは吟遊詩人のようにカンテレ
を竪琴のように弾き、揺れる光と翳のなかにいる。エロイカ大介!
灯かりの揺らめきと透明な吹きガラスの曲線が、光と翳の官能的な世界を醸し出
す。そこで毎夜酒を酌み交わす贅沢を私は好まない訳ではない。
誰か彼かが毎夜来て、話し込んでいる。それはそれで今回の個展の豊饒さの証
でもあるのだが、何かが不足して感じられるのは、冬のしんとした白い底の気配
である。雪の少ない冬の<極>不足。その一点が緊張感を欠く。
エロイカ大介。今週は冬不足。来週から再び冬が来るだろう。

*高臣大介冬のガラス展「gla_gla CANDLE show」-1月27日(火)-2月
 8日(日)
*佐藤義光花個展「別世界」-2月10日(火)ー15日(日)
*野上裕之彫刻展ー2月17日(火)-22日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
[PR]

by kakiten | 2009-01-30 12:38 | Comments(0)


<< 如月へーmata-pa(冬の年...      村岸令子さんのことーmataー... >>