テンポラリー通信

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2009年 01月 28日

高臣大介さんのことーmataーpa(冬の年)(21)

透明なガラスのキャンドルが林立している。
今回の展示はすべてこれである。
大きなもの、小さなもの。様々に透明なガラスの炎たち。
それらが昨夜初日は、あらひろこさんのカンテレ演奏の為にすべて移動し、
客席と演奏の場の為に展示し直された。
午後7時半からスタートした演奏会では、聴衆と演奏者を囲むように灯かりが
燃えて、幻想的な音と光の揺らぐ美しい空間となった。
その後の打ち上げは、車座に座って飲み会となる。
テンポラリースペースのTシャッを作成してくれたファイン役人の熊谷直樹さん、
気功の熊谷透さんの、両熊谷さんが主役だった。
私は途中で食べたあたり目の干物が胃にきたらしく、腹具合が悪く2階に逃げ休
んだ。みんなの話し声を上で聞きながら少し眠り回復する。
今朝は午後1時からの開廊なのでゆっくりして出勤。すると、もう昨日の会場は
綺麗にセットし直され、宴会の猥雑な乱れは見られない。
展示もすっきりと変えられ見事である。
高臣さんは昨夜のあらさんの演奏の為にのみ一日を使っていた。
今日からが展示の本番である。そう感じた。
高臣大介とはそういう男である。集中しケレン味がない。
彼の吹くガラスの作品もその性格をよく顕している。
豪快に透明でキレがいい。作品のタイトルにもそれが顕われていて、「燃える男
はロック」とか「飛んでる男のショット」とかユニークな命名が多いのだ。
厳冬の冬に初個展をして以来ここでの冬の個展は毎年恒例となっている。
真っ白な冬に燃えてこそ、彼らしいのだ。
ガラスは夏のものという既成概念を変え敢えて、その逆に冬の透明な空気感の
なかで個展を続けてきたのは、千葉出身の彼の新たな北再発見でもあったと私
は思っている。色を使わない透明なガラスで勝負している真っ直ぐな高臣さんの
作品と気性そのまま、北の冬は彼にぴったりなのだ。
最近はその作品の評価が高くなり、全国の某デパートでも展示会が催されるよう
になった。今回もその系列の方が見え、勿体無いなあもっと別の場所でやれば、
と話していたのを聞いた。これはきっともっと中央で、街でという意味を暗に含んで
いた。少し有名になるとそれに集(たか)るような人間が必ず現われてくる。
そういう人はいわゆる中央志向が強いのだ。場を立地で差別・区別し作品を付帯
条件に置き換える。都心>場末。中央>地方。有名>無名。その比較さえすれば
誉め言葉と思っている。作品という個を通して場と空間を見ようとしない。
評価の規準のパターンがすでにあるからだ。
私の前のスペースが訴訟に敗れ、強制執行をされた時、最後まで立ち会ってくれ
たひとりが高臣大介である。この時の友情を私は忘れない。
工藝であるとか現代美術であるとかジャンルの問題以前の人間の問題である。
多少金銭的余裕がある時、そして無い時。その事で人の志や応対が変化するも
のであれば、それはジャンル以前の人の問題である。
ドイツでひとり現代美術で頑張る谷口顕一郎さんとガラス工芸の高臣大介さん
ふたりの、そしてふたりとの私の友情はそんなジャンルや貧富の相違にはない。
場と人とさっぽろ。この交叉する空間において私たちは、世界を撃つ。
この見えない熱い空間の広がりを、敢えて形にしていえば、それが私の思う<
ランド>としてのさっぽろであり、イシカリである。
高臣大介さんとは、私にとってそうした志を共有する友人であり、優れたガラス
作家なのだ。

*高臣大介冬のガラス展「gla_gla CANDLE show」-1月27日(火)-2月
 8日(日)pm1時ーpm9時月曜定休・休廊

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2009-01-28 16:59 | Comments(2)
Commented by obihiroの梅 at 2009-01-28 17:35 x
なかなか札幌にいけず、結局またいろいろな展覧会を見ずに1月が終わろうとしています。また機会を作っていきたいと思います。
Commented by kakiten at 2009-01-28 18:02
梅さん>あれっ?モエレは参加しないのですか?
来て下さいよ!待ってます。高臣大介展は来月8日まで
です。


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